女性ホルモンを整えて健康に

女性ホルモンバランスこそ健康のカギ!

女性ホルモン剤(低用量ピル)の服用(効能と副作用)


女性ホルモン剤(低用量ピル)とは

ピルとは、女性ホルモンの、

エストロゲン(卵胞ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン)


をあわせた薬です。
ピルにはいくつかの種類があり、含まれるホルモン量の多い順に、

高用量ピル
中用量ピル
低用量ピル


があります。
人のエストロゲンは3~4種類のステロイドホルモンからなっていて、ピルにもこの天然のエストロゲンが使われています。



プロゲステロンは服用すると胃酸で分解されてしまう性質を持っているため、
化学構造式を一部変えて腸まで分解されないように作られています。
これをプロゲストーゲンといいます。
人の体内ではプロゲステロンとまったく変わらない働きをします。

世界中で9000万人以上の女性がピルを服用しており、現在ではホルモン量が少なくても働きに問題がないようにできています。

ピルは、私たちが気軽に使うアスピリンを含むような頭痛薬より安全な薬です。


日本ではピルは避妊薬として有名ですが。。。


日本で避妊薬として承認されたのは実は最近の話です。(1999年)
欧米では1960年代からすでに使われています。
世界的に見ても日本はピルに対して誤解が多い国といえます。

ピルで避妊が可能になれば、妊娠への警戒が薄れてコンドームを使わないフリーセックスが蔓延する、という考え方が根強くあるためです。
性感染症の拡大という問題を懸念する立場からこのような誤解が生じていたように思います。
性感染症拡大の問題は確かに深刻です。

しかし、それとこれは別の問題。

こうしたことにも意識の高い賢い女性は、ピルを積極的に活用しています。
低用量ピルを避妊目的で使う場合は、毎日決められた量をキチンと飲む必要があり、毎日続けるモチベーションを保つことが求められます。
不規則でだらしのない生活習慣の人には続けられるものではありません。
低用量ピルを服用すること、それは将来起こりうるリスクを回避する価値ある投資ともいえるのではないでしょうか。



あらぬ誤解のあるピルですが、ピルを継続的に使う女性というのは、
正しい知識があり、毎日続けるモチベーションと行動力を持ち、規則正しい生活習慣を備えた女性であるといえるのです。
でなければ、ピルを効果的に継続的に服用し続けることはできません。
できない人は服用を始めてもすぐにやめてしまうでしょう。

女性ホルモン剤の副作用とは

体内で作られる天然の女性ホルモンのほかに、新たに女性ホルモンの供給先ができるわけですから人によっては一種の”つわり”に似た症状を訴える方がいます。

体が慣れるまで飲み始めの頃に、

頭痛、
少量の不正出血、
軽い吐き気
乳房がはる
体重増加
気分の変化

などがある場合があります。

継続して2~3周期飲み続ければこれらの症状は自然に消えていきます。
もし、それ以上症状が続くようなら、医師と相談の上で、ピルの種類を変更することもできます。

生命に関わるような重大な副作用もゼロではありませんが、10万人に1人だといわれています。
世界中でおよそ9000万人の女性が既に使用している実績があるので、安心して服用できる薬と言っていいでしょう。

「太る」という噂(?)のような説があるようですが、誤解です。
低用量ピルでは体重に変化はありません。

ピルには11種類(日本)あるので、どうしても副作用が気になる方は医師と相談の上、ピルの種類を変えてみるのも方法です。

また、錠剤を歯で割って半錠ずつ飲むと副作用が治まることもあります。 (この場合の避妊効果は減ります)

女性ホルモン剤(低用量ピル)について


低用量ピルについて

低用量ピルの成分
女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを含む錠剤。
1日1回1錠服用が基本。

ピルの働きについて
排卵を抑制します。
排卵しなければ妊娠しないことになります。万一妊娠しても子宮内膜が整っていないために着床しにくくなります。また、子宮頸管粘液の粘り気が強くなるため精子が子宮内に入りにくくなります。

ピルの飲み方
毎日1回決まった時間に1錠服用します。
3週間ピルを服用し、1週間休み(または偽薬(ぎやく)期間)があります。この1週間で生理のような出血があります。
ただし、飲み始めには服用の仕方に2種類あります。
「Day 1 スタート」
生理が始まった日に飲み始めます。
「Sundayスタート」
生理開始後の最初の日曜日から服用を始めます。

ピルを服用できない人
乳ガン、子宮体ガン、血栓症、心筋梗塞、高齢の喫煙者はピルを服用できません。

ピルの入手先は?
低用量ピルは医師の処方箋が必要です。薬局で直接買うことはできません。
婦人科以外でも処方は可能。
定期的な検診や相談でできる環境を整える必要があるためピルの処方は婦人科を選ぶことをおすすめします。

飲み忘れの対処方法
24時間以内なら気づいた時にすぐ飲んで翌日から通常通りに服用します。
24時間経っている場合は、前日分と合わせて2錠を気づいた時に飲みます。
24時間以上経過している場合、服用を一旦中止。次の生理から新しいシートの1錠目から再び服用をはじめます。この場合は妊娠に対してはコンドームなどの他の対策が必要です。避妊でなくホルモンバランス維持を目的に服用している方なら飲み忘れに気づいた時点で2錠飲み、翌日から1錠服用を続ければ効果は持続します。
いずれのOC(低用量ピル)も毎日ほぼ一定の時刻にのむことが大切です。例えば、就寝前、朝の歯磨きの時など、毎日の習慣を作るとよいでしょう。のみ忘れは妊娠する可能性及び不正性器出血(月経以外の出血)を引き起こす可能性を高めます。

女性ホルモン剤(低用量ピル)をもっとよく知ろう!

ピルはどうやって手に入れるの?
ピルはドラッグストアで買える薬ではありまえん。
必ず病院で医師と相談の上で、服用しても問題がないかを検査してから処方されます。
服用中は、子宮頸がんや性感染症などの検査を定期的に受けることも必要になります。

ピル服用中はなぜ検査を受けるの?
ピルを服用している場合は定期的な検査を受けるよう、医師に勧められます。
ピルを飲むことで避妊することが可能になりますが、性感染症のリスクは避けられません。
また、ピルには黄体ホルモンが含まれているため、血液濃度が濃くなりがちです。
定期的な血液検査も必要になります。

低用量ピルを使用できない人がいる?
ピルを使用できないのは、

肥満の女性
妊娠中の女性
肝障害がある女性
心臓病、腎臓病がある女性
家族に血栓症を患ったことがある女性

などです。

ピルを使う場合、どのくらいの費用がかかる?
残念ながら、ピルの服用は健康保険の適用外の自由診療。
病院・クリニックにより、料金は違ってきます。
目安として、ひと月あたりおよそ3000円前後と検査料が必要になります。

ピルを飲むと太る?
ピルを服用することで、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が妊娠に備えて体液を貯留する働きをするため、確かに、若干の体重増加がみられる可能性があります。
飲み始めて2~3か月ほどで落ち着いてくるので、それほど心配する必要はないでしょう。

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