女性ホルモンを整えて健康に

女性の物忘れの対策と解消法について

女性のもの忘れは、年齢に関係なく起こります。


あれれ?なんだったっけ?女性に起こるもの忘れの症状とは!
もの忘れは誰にでもあることです。
何かをしようとしていたはずなのにそれを一瞬忘れてしまったり、人の名前がとっさに出てこなかったり、メモしたのは覚えていてもそのメモがどこにあるのかが思い出せなかったり。。。

女性は、女性ホルモンの影響を受けて記憶力の低下がおこることがあります。
女性に起こるもの忘れの原因とは一体何なのでしょうか。

年齢でなく環境の問題!?
「もの忘れ」とは、記憶の問題。脳には、記憶を司る「海馬(かいば)」という部分があり、記憶の入り口として最も重要です。しかし、記憶は脳全体に関わることで、海馬だけではなく大脳に蓄えられたりもしています。歳を取っていくと、この海馬の細胞が段々減ってくる傾向にあるため、新しいことが覚えられなくなってくるといわれています。

カリフォルニア大学では、狭く何もできないところに閉じ込めたネズミと、スペースやたくさんの遊び道具がある場所にいたネズミ、毎日プールに入れ、ストレスを与えたネズミの脳の状態を比較する研究が行われました。

何もしないネズミの脳はどんどん衰えていき、遊び道具のある楽しい環境で育ったネズミは、脳の神経細胞がたくさんに分裂して増えてきたという結果が出ています。また、嫌いなプールに入れられ、ストレスを与えられたネズミは、特に海馬の細胞が減っていました。このことからも分かるように、ストレスは海馬に悪い影響を与えるといえます。
さらに、この実験で大切な点は、若いネズミだけでなく、歳を取ったネズミに同様の実験を行った結果も同じだったということです。脳の変化は、年齢だけに関係があるのではなく、環境が大きく影響し、1度ダメになった神経細胞も回復していくケースもあるといえます。

女性の物忘れの原因とは

女性のもの忘れの原因とは!

もの忘れは、脳からの「疲れた!」という合図でもあります。
ストレスや仕事で疲れている証拠。

女性に起こる特有のもの忘れは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けています。女性にとってのエストロゲンとは、子宮や乳房、卵巣に働く女性ホルモンであることは知られていますが、それ以外にも、骨や皮膚、肝臓や脳にもその働きが及んでいます。

女性ホルモンのエストロゲンが低下すると、脳の働きも低下します。
特に、卵巣の働きがその役割を終えて、生理がなくなる(閉経)更年期には、エストロゲンの分泌も減少するため、記憶力が悪くなります。
男性よりも女性の方が痴呆症が多いのは、このためで、男性の場合は、ホルモンの分泌が緩やかに減少するため、高齢になっても女性ほど急激な脳の機能低下は見られません。もちろん、男性にも痴呆症はありますし、年齢と共に記憶力なども低下していきますが、エストロゲンの分泌の減少による脳細胞の衰えは女性特有の症状です。

卵巣機能が低下すると、エストロゲン分泌の減少(ホルモンバランスの乱れ)によって、更年期でなく若い女性にももの忘れや記憶力の低下は起こります。
また、甲状腺機能異常で甲状腺ホルモンの分泌が減少すると、新陳代謝が悪くなり、気力の低下や記憶力の低下が起こります。

女性特有の「もの忘れ」の対策と解消法について

もの忘れを解消、緩和するサプリメント、アロマオイルとは!
もの忘れ、記憶力の低下を伴う、のぼせ、イライラ、肌の乾燥などが見られる時には、エストロゲンを補充する治療法が有効です。
また、20代、30代の若い女性なら低用量ピル(女性ホルモンのバランスをコントロールできる)でも効果があります。
エストロゲンは女性の脳を守る働きがあります。
アルツハイマーの予防にも女性ホルモンであるエストロゲンが使われています。

また、日常生活でも卵巣機能や脳の機能を低下させない工夫が必要です。
例えば、食事はよく噛んで食べる(咀嚼は脳を刺激します)、手足をよく動かすなどを日頃から意識して習慣化していくことが大切です。

アロマで脳を活性化!
アロマオイルの香りで脳を活性化させることが出来ます。
脳の働きを高めるアロマオイルは、

ローズマリー
ペパーミント
ジュニパー


アロマポットで香りを楽しみましょう。
脳を刺激する香りの有効性は、理論的にも実証されています。
アロマオイルの香りで脳をリフレッシュしましょう。


脳の働きを高めるサプリメント:イチョウ葉エキス
脳の血行を促進して、脳の働きを活性化します。
血行をよくするサプリメントなら、他にも
ビタミンE
ピクノジェノール

なども効果があります。

脳の伝達物質であるリン脂質を補給することも脳には有効です。
DHA、EPA(いわしなどの青背魚の油)に多く含まれています。
ちなみに、DHAやEPAなどは、すぐに酸化してしまう性質があります。
効果的に摂るならやはりサプリメントがお勧めです。

食事から摂るなら、いわし、さば、アジなどの青背魚の新鮮なものを選んで食べましょう。

女性の物忘れを解消(予防)する生活習慣とは

食生活を改善しよう
食事は肉中心の食事より、緑黄色野菜や、血液を固まりにくくし、神経細胞の伝達をスムーズにする物質を含む魚を多く食べることが大切です。
特に、DHAやEPAを多く含むマグロやイワシ、サンマなどの青魚が効果的です。

また、甘いものを控えることも大切です。
甘いものを食べると中性脂肪が増え、血液がドロドロになりやすくなります。
中性脂肪やコレステロール、血糖値が高い、水分不足になった血液はドロドロになり、血液が非常に濃くなると、脳梗塞などを引き起こす場合もあります。

さらに、太り過ぎは「痴呆」を促進するともいわれています。
カロリーはとり過ぎず、腹八分目を心がけることが重要です。

朝食も欠かさずとりましょう。
血糖値が1番下がっている朝に、食事を取らないと脳に必要なブドウ糖ができないため脳の働きが悪くなります。
伝達物質であるアセチルコリンを増やすためには、コリンとブドウ糖が必要。コリンを多く含む、玉子や豆腐などが効果的です。

運動やストレッチ、体操などを取り入れよう!
運動は脳の血流を良くし、脳細胞の強化に役立つ身体運動は、非常に重要なものです。
誰もが手軽にできる歩くという動作は、脳から筋肉へ、筋肉から脳へと指令を出し、脳全体を使うことになります。
そのため、よく歩くお年よりは頭がしっかりしているといわれています。
1日に30分から1時間程歩くことが効果的です。
また、楽しく歩くとストレス解消にも繋がります。

好きな音楽の刺激を受けよう!
音楽は人間のさまざまな箇所に刺激を与えます。
そのため、歌を歌ったり、音楽を聴くことは脳を活性化させ、老いを防いでくれるといえます。
また、立体的な感覚や空間的な能力を高める特殊な音楽もあります。
1歳位の子供に音楽を聴かせると、自然に踊り出すように、人は母の体内にいる時から音楽の記憶を持って生まれてくるともいわれています。
音楽を取り入れて治療する「音楽療法」を用いる病院や施設などもあります。

ユーモアのある会話に努めよう!
面白いことを聞くことは、非常に健康に良いといわれています。
人間は、右の脳と前頭葉の働きで面白いと感じ、特に前頭葉を使って笑っているようです。
いろいろな方法でユーモアを理解し、人と話したりすることは脳に良い刺激を与えます。
ユーモアのある会話や生活をすることは、人間の脳をいつまでも若々しくするために必要な要素です。

ストレスをためないようにしよう!
ストレスによって神経細胞が破壊され、記憶の障害を起こすことはよくあることです。
ストレスでアドレナリン、コルチゾールなどの物質が、絶えず血中に高い状態にあると、記憶を司る海馬の細胞を破壊するといわれています。
また、慢性のストレスは、人を抑うつ的にもさせ、脳に悪影響を与えます。
そのため、ストレスを溜めずに、取り除く方法を探すことが大事です。

睡眠をたっぷりとろう!
日常で得るさまざまな情報は、海馬に入り、海馬から大脳に送られ蓄えられます。
これらの作業は睡眠中に行われるため、寝ることが記憶を固定するのに重要な役割をしているといえます。
そのため、7~8時間の熟睡が必要です。

また、昼寝の習慣がある人に「痴呆」の人は少ないといわれています。
長時間の昼寝ではなく、30分以内の昼寝の習慣を付けることが大切です。

女性ホルモンと「物忘れ」の関係とは

刺激的な毎日を心がけよう!

アメリカのケンタッキー大学で101歳で亡くなった女性の脳を調べてみたところ、脳は明らかに萎縮し、ベーターアミロイド蛋白や老人斑が出ている「アルツハイマー」の脳でした。

しかし、88歳まで数学の教師をし、引退後は積極的にボランティア活動を行っていたその女性は、101歳で亡くなる前まで非常に知的で、テストなどもしっかりできていたそうです。

「アルツハイマー病」も30%程は遺伝的なもので、避けられない部分もありますが、それを上回る積極的な社会的な活動で、症状が表面に出ないまま生涯を送ることも可能です。 

いろいろな人と交流をすること、刺激的でユーモアのある楽しい生活を送ることが、知的な機能を保ち「もの忘れ」や「痴呆」を防ぐことに繋がります。

アルツハイマーについて

私達が最も恐れているのは「アルツハイマー病」や「アルツハイマー型痴呆」にかかることではないでしょうか。
「アルツハイマー型痴呆」は、アセチルコリンという伝達物質が非常に減り、記憶の状態が悪くなっている状態であることが分かっています。

そのため、現在の日本では、アセチルコリンを増やすドネペジル(アリセプト)という薬を使った治療が行われています。  
また、「アルツハイマー病」になると、脳にβ(ベータ)アミロイドという蛋白質が溜まり、大脳皮質などに老人斑が形成されます。

このβアミロイド蛋白の沈着が病気を引き起こす原因とされているため、脳に溜まらないようにする研究や、取り除く研究も進められています。

この他にも、アセチルコリンを分泌する細胞を脳に移植する実験なども行われています。

「物忘れ」の段階を知ろう!

高齢化社会になるに従い、自分は「痴呆」なのではないかと心配される声が多く聞かれるようになってきました。それらに対し、「単なるもの忘れ」なのか「痴呆の初期」なのかという正しい診断が必要になってきます。
 最近では、「年齢相応のもの忘れ」と「痴呆」の間に「MCI(mild cognitive impairment)」という段階があるといわれています。MCIは、「軽度認知障害」というもので、標準よりもかなり物忘れがひどい症状です。しかし通常の日常生活には支障はありません。これは4、5年程経過していく内に、本当の「痴呆」になってしまう人もいれば、そのままの状態を保っていく人もいるため、注目されている症状です。
 現在では、「もの忘れ外来」「メモリー・クリニック」「シルバー外来」などと呼ばれる医療機関が増え、ニーズも非常に高まってきています。ここでは、「長谷川式テスト」や「かなひろいテスト」などや、画像で脳の萎縮を調べる「MRI」「CTスキャン」などさまざまな検査方法があります。
 自分1人で心配していてもストレスを溜めてしまうだけなので、医師の正しい診断を受けることをおすすめします。それが早期発見のポイントでもあります。

「物忘れ」と「痴呆」の違いについて

もの忘れと痴呆は別の物です。

人や物の名前が出てこない、覚えていたことが思い出せない「もの忘れ」は、歳を追うごとに多くなってきます。
特に、久し振りに会った人の顔は覚えているのに、名前が出てこないということがあります。
これは、脳の顔を認識する場所と名前を記憶する場所が違うことから起こるもので、その連絡がうまくいかない時に起こる現象です。

「もの忘れ」にもいろいろなパターンがあり、ヒントを貰って思い出せる脳は「痴呆」ではありません。
「あれこれ症候群」などと呼ばれる年齢相応なもので、病気ではないと考えられます。

また、加齢に伴う「もの忘れ」は、ほとんど生活に支障がありません。
しかし、ヒントを貰っても、何を言っても思い出せない場合は、病的なものである可能性もあります。
「痴呆」の場合は、電車の切符が買えない、銀行に行ってお金を下ろすことができない、今日が何月何日かわからないなど、日常生活に支障や影響を与えてしまいます。

歳を取れば「痴呆」は増えてきますが、80歳、90歳を超えてからも脳や体が元気な方はいらっしゃいます。
老化は必ずしも加齢だけで進むものではなく、ライフスタイルが老化の進行に大きく関わっていることが分かってきています。

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