女性ホルモンは、女性の身体、心、お肌などのすべてをコントロールしています。
イライラしたり、意味もなく不安になったり、眠れない、物忘れなどのこころの不調をはじめ、生理痛や生理不順、腹痛、頭痛、冷え、むくみ、肩こりなどのからだの不調、そして、乾燥肌、肌荒れ、ニキビや吹き出物、シミ、シワなどのお肌のトラブルに至るまですべて女性ホルモンの影響によるものです。
ゆえに、この女性ホルモンを理解して攻略することができれば女性の心、身体、お肌などに起こる不快症状に対する原因と対処方法もおのずとわかるはずです。
ここでは、この女性ホルモンがどういうものなのか、女性の病気や健康と女性ホルモンとの関係(しくみ)を理解して、女性が病気や不調を克服して健康を取り戻す基本を解説していきます。
女性ホルモンを整えて健康に!
女性ホルモンのことをもっと理解しよう
女性ホルモンとは!
「卵巣」から女性ホルモンは分泌されています。
女性ホルモンとは、
エストロゲン(卵胞ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン)
の2つのホルモンのことをいいます。
この女性ホルモンが分泌されるしくみは、
脳(視床下部)から女性ホルモンを分泌するよう下垂体に命令されます。
この命令を受けて下垂体(視床下部の下部にある)は性腺刺激ホルモンの分泌を促します。
この性腺刺激ホルモンには、
卵胞刺激ホルモン(FSH)
黄体化ホルモン(LH)
という2つのホルモンがあり、これらが卵巣に働きかけることで卵巣から女性ホルモンである、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が行われます。
脳は常にエストロゲン、プロゲステロン、つまり女性ホルモンの分泌状況を見張っていて、分泌量の調整を行っています。
プロゲステロンは、いわば妊娠ホルモン
常に子宮の内膜の状態を妊娠しやすいように整えて、いざ、妊娠したら妊娠状態を健やかに保つために働きます。
体温を上げる働きを持つことも知られています。
エストロゲンは、女性らしさを保つためのホルモン
女性らしいふくよかな乳房などの身体つきを作り、妊娠のために卵を作ったり、子宮の内膜を厚くしたり、受精卵の着床を助ける働きをしています。
また最近では、感情や自律神経、皮膚や骨、粘膜、筋肉や関節、そして脳の働きまでもこのエストロゲンが少なからず影響していることがわかってきています。
女性ホルモンは女性らしさのホルモン
エストロゲン(卵胞ホルモン)
これがあなたの「女性らしさ」をつくるホルモン。
感情や骨、皮膚、筋肉、脳、関節などはもちろん、子宮や乳房などを発達させる役目をしています。
思春期からエストロゲンの分泌量が多くなっていきます。
エストロゲンによって女性らしい身体つきが作られています。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
これは妊娠を助ける女性ならではのホルモンです。
妊娠していない時は子宮の内部を掃除してくれるホルモンです。
受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠を助けるために、子宮内膜の状態を妊娠を保つために整えてくれます。
女性ホルモンの特徴
◆エストロゲン(卵胞ホルモン)
新陳代謝を促す
血管の強化
肌の潤いを保つ
骨の強化
髪をツヤツヤにする
善玉コレステロールを増やす
悪玉コレステトールを減らす
肥満を予防する
物忘れを予防する
など。
◆プロゲステロン(黄体ホルモン)
子宮内膜の働きを調整する
血糖値を調整する
利尿作用
食欲の増進
乳腺を発育させる
身体の水分量を調整する
眠くなる
イライラ、憂鬱の原因になる
など。
女性ホルモンを整えよう!
近年 中高年の女性だけでなく若い女性にも 女性ホルモンのバランスの乱れや分泌不足による不調が増加し始めたといわれています。
原因は、現代のストレスの多い生活や食生活の乱れ、過度なダイエット等が関係していると言われていますが、その因果関係はっきりとはわかっていません。
しかし、その不調は日常生活にも影響のある場合が多く、生理痛、生理不順、頭痛、肩こり、不眠、イライラ、肌のシワ、たるみ、など 美容、健康面へ大きくダメージを与えていることは確かです。
不調を感じる時は まず病院で受診してください。
大きな病気への前兆の場合もあります。
また、異常がないと診断されれば 病気でないとわかっただけでも、精神面でも安心が得られます。
病院から「異常なし」と言われても不調が気になる時は、正しい知識を持って積極的に治していくことが大切です。
ホルモンバランスとは
ホルモンバランスとはつまり、視床下部と下乗体、卵巣( 子宮 )が連携し行なう、 女性ホルモン( 卵胞ホルモン、黄体ホルモン )のコントロールのことをいいます。
このバランスが乱れてしまうと、肌のトラブルやボディラインの崩れはおろか、 生理不順やお肌のトラブルなど、様々な不調の原因となります。
女性ホルモンの働き
女性ホルモンの働きとは、ズバリ!
女性らしいからだを作ること。
子宮、腟、乳房などの発育や機能を司り、女性らしいやさしく丸みを帯びたラインを形成し、妊娠、出産にも大きく影響を与えます。
また、女性ホルモンは、生殖機能だけにとどまらず、
イライラせずに穏やかに過ごす、
ツヤとハリのある肌を健康的に保つ、
カルシウムの吸収を促して、骨を丈夫に保つ、
など、外面、内面、双方から女性が健やかに過ごすためのサポートをしています。
女性がいつも輝いて過ごすための大きなポイントが、女性ホルモンにかかっているといっても過言ではありません。
どんなに高価で素敵な宝石や洋服をまとってみても、内面から健康美を放っている女性には到底かないません。
女性ホルモンを味方につけて、女性らしい健康を維持することは非常に大切なことです。
女性ホルモンの分泌は20代~30代がピーク
女性の身体は、思春期をむかえるあたりから、女性ホルモンの働きが活発になります。
20代から30代の頃が一生のうちで最大ピーク時。
最近では妊娠、出産の高齢化が進んでいますが、本来、女性ホルモンの働きが最も活発な20代から30代がベストな時期といえます。
卵巣の老化は、他の臓器に比べて早いといわれています。
35歳を過ぎる頃から、女性ホルモンの分泌が減り始め、45歳くらいからは急激に減少、50代前半で閉経を迎えます。
また、女性ホルモンは卵巣だけでなく、副腎でも作られています。
副腎での女性ホルモンの生産は脂肪によって行われるために、閉経後、痩せている女性は骨粗鬆症などのリスクがありますので、注意が必要です。
女性に起こる「女性特有」の症状の原因について
女性ホルモン分泌を指令する脳の視床下部、下垂体は非常にデリケートです。
仕事や家庭での問題、恋愛、失恋などによって脳がストレスを受けるとこの視床下部や下垂体の働きが乱れ始めます。
女性ホルモンの司令塔である視床下部や下垂体の働きが乱れると女性ホルモンの分泌自体にたちまち影響を及ぼして女性特有の不調の原因となってしまいます。
この乱れは女性ホルモンだけではなく、その他の副腎皮質ホルモンや甲状腺ホルモンなどにも連動してホルモンバランスを崩してしまいます。
こうなると、全身の機能に変調をきたして、さらには体だけではなく、心の働きにも影響を与えます。
ホルモンとは、このように非常にデリケートで微妙なバランスを保ちながら働く機関であるといえるのです。
できる限り、ストレスを軽減し、たまったストレスは直ちに解消する方法を身につけることに心がけなければなりません。