女性ホルモンを整えて健康に

女性の健康と生理、婦人病と肥満の関係について

女性特有の婦人病と肥満、女性ホルモンとの関係


婦人科疾患と肥満の関係とは

女性特有の婦人科の病気には、生理痛や生理不順から、乳がんや子宮がんなどの深刻なものまで、多くの病気があります。
また最近では、肥満が婦人病の発症のリスクが高めるともいわれています。
肥満と婦人病にはどのような関連性があるのでしょうか?

肥満が関係するのは、乳がんと子宮体がんです。

乳がんは日本人女性の15人に1人が発症すると言われていますが、太っている場合、乳がんのリスクはさらに高まる可能性があります。
また、ガンほど重篤ではないにしろ、肥満の女性は生理不順も多くみられます。

エストロゲン(女性ホルモン)は、卵巣だけでなく脂肪細胞からも分泌されるので、肥満の場合ホルモンバランスが崩れやすくなるのは事実。

閉経すると、卵巣からエストロゲンはほとんど分泌されなくなります。



しかし、肥満の女性は脂肪細胞からエストロゲンが分泌され、この女性ホルモンの作用で、乳がん発症のリスクが高まります。

現代女性は昔の女性に比べると、妊娠、出産が減っていることもあり、生理を迎える回数が10倍ほど多くなっています。
その分、エストロゲンにさらされる期間も長くなり、乳がんや子宮体がんのリスクを高めることになります。
肥満であれば、そのリスクはさらに高まります。
このような理由から、特に閉経後の肥満は出来るだけさけるべきであると言えます。

アディポネクチンという脂肪細胞から分泌されるホルモンがありますが、これは太ると分泌が低下します。(特に内臓脂肪)

アディポネクチンは脂肪分を燃焼して、メタボ(メタボリックシンドローム)を予防する作用があり、動脈硬化、高血圧、糖尿病や、中性脂肪が増加を抑える働きがありますが、減少すると、生活習慣病のリスクが高まることになります。


では、肥満とは逆に痩せすぎの場合はどうでしょうか?
生理不順は、痩せすぎでも多くなります。
また、痩せすぎていると、抵抗力がなく、がんになる可能性も否定できません。

このように、太り過ぎも痩せすぎも健康にはよくありません。
BMI(肥満度を表す指数)22くらいの標準体形を目指すようにすることが大切です。


女性ホルモンとダイエットの方法

エストロゲンが多く分泌されている時期(卵胞期は、心身共に体調がよくなり、集中力もアップ。ダイエットや運動の効果も出やすくなります。

反対にプロゲステロンが分泌されている時期は、体が疲れやすくなり気持ちもイライラしがち。水分を溜め込みやすくなるのでむくみが出て、大腸の蠕動運動が低下しするので便秘になりがち。自律神経の働きも鈍くなり、ダイエットの効果が出にくい時期です。

ダイエットをスタートするなら、エストロゲンが分泌されている時期(生理終了後の8~10日)に、プロゲステロンが分泌されている時期は、無理なダイエットは控えましょう。

女性ホルモンと運動・エクササイズの関係とは

エクササイズによって、骨や筋肉に刺激を受けると、これらの機能が改善されます。
これによって例えば閉経後に低下する骨や筋肉の機能を向上させる効果が期待できます。

また、運動によって血流が盛んになることで、同時にリンパや体内の水分の循環がよくなり、自律神経の働きを助けることもわかっています。
女性ホルモンの分泌も刺激されて促進させることができます。

無理のない程度のエクササイズを定期的に行うことは、自律神経系の働きを整え、女性ホルモンの分泌を促して、更年期障害などの症状を抑えることができると考えられます。

無理のない効果的なエクササイズとは、

ウォーキング
ストレッチ
ヨガ
ピラティス
水泳


などが挙げられます。

日々の生活を工夫して、上手にエクササイズを取り入れてみてはいかがでしょうか?

女性にとって「肥満」がよくない理由

肥満の原因ともいわれる脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪の2種類があります。

内臓脂肪は内臓のまわりにつく脂肪で、皮下脂肪は皮膚の下につく脂肪です。
内臓脂肪が分解されると、全身の血液にはいかず門脈を介して直接肝臓に送り込まれ、それが糖に替わってエネルギーをつくります。

内臓脂肪が糖をつくってしまうので、血糖値が上がってインシュリンが分泌されても糖が必要ないため糖が使われず、血糖値が下がりません。
血糖値が下がらないと、インシュリンが常に出ている状態になり、インシュリン抵抗性に陥りやすく、生活習慣病の原因となることもあります。

生活習慣病(脳卒中・ガン・心臓病・糖尿病・腎臓病・肝臓病など)にかかっている人を調べた結果、ほとんどの人に、インシュリンが多く出ている傾向が見られましたそうです。

生活習慣病の人はインシュリンのコントロールが悪く、これを改善しなければ例えば高血圧を薬で治しても高脂血症や糖尿病が出てきたりします。

内臓脂肪は生活習慣病に進行するので注意が必要です。
幸い、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて脂肪がとれやすいといわれています。

男性でもウエスト85cm以上、
女性で90cm以上の場合、

内臓脂肪がついている可能性があります。

皮下脂肪は危険なものと思われがちですが皮下脂肪にも役割があります。

内臓を適正な位置に保ち安定化する、
コレステロールがホルモンを作る手助けをする、
エネルギーを蓄える、
体温調節


などさまざまな働きをしています。
しかし、皮下脂肪が多すぎると問題がでてきます。
一般に皮下脂肪が1㎏増えると毛細血管が300m伸びるといわれています。
毛細血管が伸びると血液循環が悪くなり血液が血管に行き届かなくなり、内臓にも負担がかかり栄養の供給がうまくいかなくなります。

更年期と肥満について

閉経前後5~10年の更年期女性が太りやすくなるのはエストロゲン(女性ホルモン:卵胞ホルモン)の減少が原因です。

エストロゲンは女性の脂質代謝に関わっています。
そのエストロゲンは20~30代がピークでその後急激に減少します。
中高年女性が太りやすいのはエストロゲン不足が原因です。

「今までと同じ食生活をしていたのに太りやすくなった」
「血液検査でコレステロール値が高くなった」

など心当たりのある方も多いはずです。

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