女性ホルモンと女性の髪の悩みについて
白髪の生える年齢でもないのに、白髪染めや白髪専用のシャンプーが手放せない、また、髪が細くなったり、髪の張りやコシがなくなって、まとまらなくなってきたなどの症状があらわれる女性がいます。
白髪の原因のひとつに色素幹細胞毛が発見されています。
色素幹細胞とは、毛髪に色をつける色素細胞(メラノサイト)のモトとなるもので、これまでは理論的には存在するといわれてきたものの、実際は存在や場所の確認ができていませんでしたが、この発見によって白髪のできる仕組みの解明がさらに一歩進むものと期待されています。
もうひとつは、花王の研究グループが発表した白髪の発生と特定遺伝子の量との関係。毛髪の根元にあるたんぱく質FGF(繊維芽細胞増殖因子)をつくる遺伝子の量が減ってはたらきが悪くなると、髪に色をつける色素細胞(メラノサイト)の増殖力や毛髪細胞の自然死を回避する能力が低下して白髪になるというもので、花王はこの成果を元に、白髪の予防剤などの開発をめざしてさらに研究をすすめています。
女性ホルモンを整えて健康に
女性の白髪、髪のパサつきなどの解消法とは!
女性の白髪、髪のパサつきの原因は?
白髪、髪のパサつきの原因は!
漢方では、髪は血余(けつよ)といわれていて、栄養が身体に行き渡り、最後に髪の毛にまわるとされています。この考えに従えば、髪の状態がいい人は、身体もヘルシーであるといえます。
事実、栄養不足や貧血があると、髪にまで栄養が行きととかなくなり、白髪や髪のパサつきが起こります。
また、ストレスや疲労による女性ホルモンの低下があると、髪の毛にも反映されます。女性ホルモンのバランスが崩れると血行が悪くなるため、髪の毛も傷んだり、細くなったりといった症状としてあらわれます。
女性の場合は、特に、更年期になって女性ホルモンの分泌量が減少すると、肌や髪も老化が進みます。
白髪は、遺伝的要素の他に、精神的なストレスが加わることで増えることがわかっています。
また、更年期などで髪の毛が減ってくるのは、女性ホルモンの減少で毛母メラノサイトの機能が低下して髪の元となる毛母が失われることでおこる症状です。
毛髪は生えたらずっと伸び続けるものではなく、寿命があるのはご存知の通りです。髪の寿命は、
男性で3~5年
女性の場合は4~6年
といわれています。
頭皮には、10~15万本の毛髪が生えているといわれているので、1日に約50本程度の抜け毛は、髪の寿命による自然な脱毛。
問題は、この脱毛の際に、色素細胞(メラノサイト)までもが毛髪とともに失われることです。健康な頭皮内であれば、こうして色素細胞(メラノサイト)が激減しても、次の毛髪が生えるときに再配置され、メラニン色素が作られます。しかし、何らかの原因で再配置が起こらないと、白髪となってしまいます。
白髪にとって最も重要なのは、毛髪の生え変わりの時期です。
色素細胞(メラノサイト)を活性化し、新しい髪のために再配置をスムーズに行わせる必要があります。
いずれにしても、白髪で悩んでいるとそれがストレスになってさらに白髪の症状を進めてしまうことも考えられますので、どうしても白髪が気になるなら早めに白髪染めを使うなどの対策で、気に病まないことも大切です。
女性「乾燥肌」の対策は
髪に栄養がきちんと行くようにするためには、たんぱく質が欠かせません。
また、コラーゲンも髪の成分となりますので、サプリメントなどで摂ることが必要です。
毛根の血流を促進するための頭皮のマッサージを習慣化しましょう。
貧血がある場合は、全身の血行が悪くなりがちです。貧血の治療も同時にすすめることが大切です。
髪の健康を保つためには血行促進が不可欠になります。
また、女性ホルモンのバランスの乱れが原因である場合は、まず、ホルモンバランスを整えることが先決。できる限りストレスや過労を取り除くことも必要です。
◆白髪、髪のパサつき予防と対策
髪の健康に欠かせないのは、
たんぱく質
亜鉛
銅
ビタミンA
ビタミンC、
ビタミンB群
などですが、ミネラルバランスが崩れると、毛乳頭の働きが悪くなるため、
亜鉛
銅
は白髪予防に深く関わりがあります。
亜鉛は、牡蛎、玄米、そば粉、ゴマ、アーモンド、小魚、海藻、緑茶などに豊富に含まれています。
銅は、メラニン色素を合成するのに欠かせないため、不足すると髪の毛の色が薄くなったり、抜け毛にもつながります。銅は、牡蛎、エビ、ほたるいか、牛レバー、アボカド、アーモンド、大豆などに豊富です。
白髪予防には、ゴマ、海草がいいといわれます。
ゴマはカルシウム、鉄などのミネラルが豊富で、ビタミンB1、B2も含みます。ビタミンEも多く、血行がよくなり、毛髪に栄養が行き渡り、髪にもつやが出て、白髪防止につながります。
また、海草に含まれるケルプも髪によいといわれます。漁師町には白髪が少ないことから、魚介類のDHAの効果も注目されています。
ストレスが原因で白髪になることもあります。ストレスで円形脱毛症や抜け毛が増えることもあるため、日常のストレス解消も大切です。また、過度なダイエットはストレスにもなり栄養バランスが崩れる原因です。
穀類や魚介類に白髪予防にいい成分が多いため、和食のメニューをきちんと食べる生活を心がけることが髪の健康にも役立ちます。食生活が不規則で亜鉛や銅など不足している場合は、サプリメントを利用するのもよいでしょう。
髪のパサつきは漢方で解消する
髪は血の余り(血余)といわれ、漢方では髪のパサつきを「血枯」として対処し、髪と血行は切り離して考えられないものです。つまり、血枯、血虚などの原因で髪も自ずとパサついてくるのです。そこで、おすすめしたい漢方薬が、滋血潤腸湯(ジケツジュンチョウトウ)です。この薬は、胃腸を整えながら、全身の皮膚や頭髪の血行を促す、すぐれた働きがあります。しばらく飲んでいれば、髪のパサつきが治まってくるだけでなく、肌ツヤもよくなり、肩こりや便秘の改善も期待できます。
女性の場合、自律神経の失調など神経系の乱れによって、生理異常になったり肌や髪のうるおいが失われたりすることがよくあります。そういった神経やホルモンなど体のコンディションの乱れがある場合には、加味逍遥酸合四物湯(カミショウヨウサンゴウシモツトウ)を飲んでみることをおすすめします。この薬は、二つの漢方薬を合わせたものですが、加味逍遥酸は神経の働きを整えて生理を正常に促す効果があり、四物湯には乾燥した皮膚や髪をうるおす作用があり、髪のパサつきの根本治療には欠かせない漢方薬です。
髪や爪は血の余りと云われるように、おそらく疲労が原因で、内臓が弱まり、「血虚」という血液が十分に循環できない状態に陥っているのではないでしょうか。そういう場合には、人参栄養湯(ニンジンエイヨウトウ)を一ヶ月半くらい続けて飲めば、すっかり体力も回復し、髪のうるおいも戻ってくるはずです。この薬は、食欲増進、体力増強、増血剤として元気をつける働きがあるので、夏バテのときに飲んでもたいへん効果を発揮します。
女性ホルモンと髪の関係
女性の場合は、年齢を重ねていくと、頭髪が全体的に薄くなるという傾向があります。これは、毛髪の成長期を持続させる働きを持つ、エストロゲンが減少することにより、引き起こされていると言われています。育毛ケアは、薄毛を感じ始める35歳ぐらいからはじめても、早くはないのかもしれません。
女性の身体に良いと話題となっている大豆イソフラボンは、エストロゲンに近い働きを持つことがわかっています。閉経前は40mg(お豆腐1/3丁)摂取すれば十分ですが、閉経後は250~1000mg(お豆腐4丁)も必要だと言われています。これは食事だけで摂りきれる量ではないこと、乳ガン・子宮ガンなどの発ガンリスクが高まる恐れもあるため、摂取量については医師に相談が必要です。