その他の「お腹が張る」症状と原因
お腹がはる症状は、腹部膨満感とよばれ便秘症や消化不良による腸管内のガスの貯留(鼓腸)が原因のことが多いのですが、そのほかにも腹に水の溜まる腹水、腫瘍、尿閉、肥満、消化器疾患(肝炎・胃炎)等でも起こります。
また、薬の影響で腸の動きが抑えられても腹がはる症状がでることがあります。
特に気をつけなければならないのは、激しい腹痛を伴い、吐きけや嘔吐、排便や排ガスのないときには腸閉塞(イレウス)などの急性腹症を疑う必要があります。
しかし、腹がはる人のほとんどはガスの貯留による鼓腸ですから、ほかに症状がなく、持続しなければ心配いりません。
腸管内のガスの約70%は食事といっしょに飲み込んだ空気です。
したがって、神経質で空気を飲み込む癖のある人(空気嚥下症または呑気症)はお腹が張ることがあります。
また、腸内細菌による異常発酵によって腸内にガスが貯留することもあります。
「お腹の張り」を改善して健康に
お腹が張る症状と原因、治療と解消法
「お腹が張る」病気について
鼓腸を起こすものには空気嚥下症・神経症・ヒステリー・発酵性食品の摂取・腸炎のほかに、腸の通過障害を起こす腸閉塞があります。
腸閉塞は生命にかかわることがあり、緊急の治療を必要とします。
低カリウム症・甲状腺機能低下症、また精神安定薬などの薬物を用いた場合でも腸管の運動を抑制してガス貯留をきたし、鼓腸となります。
腹水は主として肝臓の病気で起こります。
肝硬変や肝がんで肝臓へいく血液が流れにくくなり腹膜内に溜まるのが腹水です。
腹水はそのほかに腸管のがんや腹膜へのがん転移によっても出てきます。
この場合の腹水は注射器で抜いてみると血液が混じっており、区別がつきます。
腹水は正常の場合でも少量ありますが、腹がはったと感じるようであれば異常です。
症状として腹がふくらみ、へそのへこみがなくなる“カエル腹”になります。
腹水がなくてもがんなどの腫瘤があると腹がはります。
腫瘤にはがんなどの悪性腫瘍と良性のものがあります。
良性のものとしては卵巣膿腫や多発性嚢胞腎などがあげられます。
「大腸がん」でもお腹が張ります。
大腸ガン対策の一つは大腸にできるポリープをどうやって早期に発見するかということです。
普通、大腸ポリープでは、自覚症状はない、というのが一般的な考え方です。
しかし、まったくないわけではなく、ポリープが3~4センチとか、7~8センチなどと大きなものになってくると、自覚症状があります。
最も多いのが血便。
便に鮮血のかたまりが混じっているのが血便ですが、出血場所が肛門に近いほど血の色が鮮やかとなります。
直腸、あるいは結腸でも直腸に近い40~50センチあたりのところにそのような大きなポリープができると、こうした血便が出ることがあります。
この場合大量に出血することはまれで、新鮮な血液が少量出て、便のまわりに付着する程度のことが多いようです。
また、日本人には少ないのですが、直腸に大きなポリープがある場合、ポリープからの粘液の産出が多いものでは、大量の粘液混じりの便が間欠的、あるいは持続的な血便とともに出るようなこともあります。
しかし、良性のポリープでは、便通異常や下腹部痛などといった症状は起こらないのが普通です。
このように大腸ポリープはそう顕著な形で自覚症状が現れないので、この症状の有無でポリープを発見することはあまり期待できません。
けれども、ガンの場合はいろいろな症状が出ます。
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